2019年08月11日

戦争を描く絵本を置くということ。

毎年、夏は機会ごとに戦争を描く絵本、平和への祈りを綴る絵本を読み聞かせ、えほんのおうちでも展示をするようにしています。

こればかりは、流行り廃り関係なく何度でも繰り返し繰り返ししていかなければいけないと思っています。

世界で唯一核兵器を落とされた我が国のその日、そして終戦記念日とたたみかけるようにある8月。いま、読み聞かせの現場として主流になっている学校は夏休み中。(本来は家庭であったら良いなとは思うのですが。)読む機会は意識していないと、得られないですよね。

えほんのおうちにある関連絵本を、何冊かご紹介します。

まずは私が低学年から中学生まで読んでいるのが
松谷みよこさんの「まちんと」。
戦争を描く絵本を置くということ。

このブログを読まれている方は、よくご存知の一冊だとは思うのですが。
「まちんと 」という言葉は「もう少し」という意味です。描かれてるのが広島の原爆投下直後の広島ですから広島弁になるのでしょう。
原爆の熱にやられ、トマトをもう少しもう少し欲しいと言いながら死んでいった小さな命。
いつも読むときには、感情を載せすぎないようにするのが苦しいほどの一冊です。
内容はわかりやすく、だけれども全世代に訴求する力強い一冊。


「すみれ島」
戦争を描く絵本を置くということ。

そこに描かれているのは、特攻により若い命を散らした当時の若者達です。 


「戦争で死んだ兵士のこと」
この一冊は下手に言葉にするよりも読んでいただいたほうが良いと思う。
戦争を描く絵本を置くということ。




この他にも、戦争を題材とした本を何冊か、夏だけではなくて、通年通しておいています。

これらの絵本は、けしてあなたに一方的な答えを提示して声高に押し付けていません。

ことさらに、失われた命を美化してもいない。
弾劾も、迸るような呪詛もありません。

作者はもちろん意図したものを持ってるのですが、それを絶対的な唯一解として、ことさらに、すべての他の声をかき消してガナリ散らしているようには感じません。

考えてほしいと。
感じてほしいと。
それをもとにあなた自身が答えを出してほしいと願っているように感じます。

それが本来、アートや文学の力。 

戦争や平和への想いを描く絵本を置くことは、政治的な発信ではありません。
もっと人として、根源的なことを感じてほしいから。

あらゆることを政治に利用する風潮は、本来私達とは相容れないものだと、自分は考えています。

ここにあるのは、絵本。

親子での対話のきっかけになれればと思います。




Posted by えほんのおうち at 15:26Comments(0)|| |
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